キャサリンに触れたくて…冬

キャサリンと付き合いたくて付き合いたくてたまらない。

米国で初めて姿を見たときから「日本に来日したら間違いなく来日したその週にはお付き合いを申しに行くのに!話す言葉?そんなの関係ねーよ!犬語でもアーウー語でもなんでも来いや!」という超強気な姿勢を悶々と1年以上キープ。

そしてほんとにキャサリンが日本に来日する、しかもより魅力的になり、日本語を喋れるくさいという。心踊り今か今かと確定情報を待ち続けていたら、キャサリンは犬語しか喋れないというショッキングなニュースが舞い込んできた。

「まあ、そんなの些細な問題さ。キャサリンの姿を見かけたときからこれまで10年以上付き合ってきた日本語を話せる彼女とは別れる決心は付いていたし」と思っていたはずなのに、キャサリン来日の握手会が表参道で行列を作っていたとき、その一大イベントをテレビで眺めている自分がいた。

それは今の日本語を話せる彼女が悪い。「あたしももしかしたらキャサリンになれるかもしれないの。あっでも確実になれるとは言えないけど、でも信じて待っててほしいの…」なんて煮え切らない姿勢を取られたら、こっちもスタートダッシュがかけられない。

「キャサリン愛してる!」と、飛びついて、高い慰謝料払って今の彼女と別れて、犬語の勉強のため高い金払ってNOVAに通いだして1ヵ月後くらいに、今の彼女から「あたしキャサリンになれたよ!」なんてメールをもらっても、どの面下げて「やり直さないか?」と言えばいいのか分からない。

今の彼女の僅かな可能性に期待し、ぬるい日々を過ごせども過ごせどもキャサリンの輪郭は見えてこない。それよか、日に日にキャサリン離れをしているようにしか見えない。今まで日本語しか話せなかったはずなのに、いきなり豪語に手を出し始めたり、キャサリンに近づこうとしてなのか判断つかないが、キャサリンの着ている服だとか、顔真似なんかを最近よくするようになってきた。

そういうこっちゃない、そういうこっちゃないんだ。と思うのだが、彼女の暴走は止められない。

いっそ、「あたしはもうキャサリンには200%なれないから、あたしを取るのかキャサリンを取るのかはっきりして!」と修羅場でも訪れた方がよっぽど踏ん切りがつく。そうなったらすぐにキャサリンのもとへ薔薇の花束持って駆けていくのに。

悶々とする日々の中で、最近キャサリンの話す犬語について悪いウワサを聞くことが多くなってきた。

http://www.asahi.com/business/update/1029/TKY200810290303.html

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081104_sbm_toppage/

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081118_my_softbank/


こんな状態でキャサリンは大丈夫なんだろうか?あまりの精神的ショックで今の犬語を忘れて話せなくなってしまう可能性も極僅かながらあるのではないか?

言葉をなくしたキャサリンは死んでしまうだろう。だが、キャサリンはすぐに生まれ変わる。問題はその生まれ変わり先だ。

今の彼女がもしかしたら、もしかしたらだけど新生キャサリンの転生先として選ばれるかもしれない。ほんのわずかな可能性でしかないが、これまでの彼女との思い出とかを引き継いだキャサリンとお付き合いできるのであればそんな願ったり叶ったりなことはない。

だからなかなか別れられない。

あと1ヶ月と少しすればもう世間はクリスマスとなる。キャサリンのことはきれいさっぱり諦めて、たまには今の彼女に新しい服でも買ってあげた方がいいんだろうか。それとも素行に問題はあるし、今の彼女と別れたことを泣きそうになるほど後悔するかもしれなくても、すべてをかなぐり捨ててキャサリンへ求愛するべきか。真剣に迷っています。