Tamkin in exile【第一章】


EXILEが嫌いだ。
とは言っても、ぼくはEXILEのなにが嫌いなのか自分でもよく分からない。
単純にEXILEの歌う歌なのか、EXILEを聴いている人が嫌いなのか、あの人数なのか、EXILEという生き方に影響を受けて服装とか話し方とか歌い方がEXILE化している人なのか、嫌いになり得る要因はたくさんあるが、どれも決定打とはならない。
そもそもぼくはEXILEの歌をまともに聴いたことがないし、EXILEがテレビに出ているとすぐにチャンネルを変えてしまうから、あの人達がどんなんなのかもよく知らない。知っている事と言えば人数が増えた事くらいしかない。

もしかしたらただの食わず嫌いなのかもしれない。歌を聴いてみたらぼくもEXILEが好きになれるかもしれない。
嫌いなものが好きになるということほど幸せなことはない。今までならテレビに出ていると舌打ちをしてチャンネルを変えていたのが、出ているだけでやったぜ!ってなれるかもしれない。頭も丸めて模様を入れるようになるかもしれない。

以前ならCD買うのもあほらしいし、パソコンを立ち上げてYOUTUBEで観るのもたるいわ、となって話はここで完結していたが、今はこのiphoneがある!さっそくYOUTUBEでPVを見てみた。


Ti Amo

なんかこれまたぼくが毛嫌いしている韓流ドラマみたいなのが始まったから高速で手が動きストップ。
だがこれではまだなにも聴いていない。もう一曲だけ聴いてみようと思い検索。



銀河鉄道999

なんかハリーポッターみたいのが始まったが我慢我慢。バックコーラスに優しいウィスパーボイスで「ジャニートゥザスター‥」と聴こえてきて気味が悪いが我慢我慢我慢。そしたら小さい男の子と背の高い女が出てきた。我慢我慢我慢我慢‥‥はい、無理。ここでギブアップ。あんな女がメーテルな訳がない、メーテルなめんなよ!



だめだ、歌を聴くこともままならない。
今まで知らなかったものを知ってしまい、それがまたとことんむかつくから、このままではなんとなく嫌いだったものが、明確な理由を持った嫌いになってしまう。
幸せが遠く離れていく。そして聞こえてくるのは不幸の足音。これはまずい。変なことしなきゃよかった。


こうなったら仕方ない。最終手段。
EXILEを好きな人からEXILEが好きになるような素敵なエピソードを聞き出して、その素敵エピソードをさも自分が体験したエピソードのように会う人会う人に自慢をして、EXILE好きをアピールしていくうちに本当に好きになってしまったという自己暗示をかけるしかない。
そこまでする必要性に疑問を隠しきれないが、乗りかかった船だ。とことんやってやろう。


作戦名、本末転倒作戦スタート!



そうと決まれば善は急げとEXILE好きが集いそうな池袋のHMVへ行こう。
そしてEXILE好きな人に突撃取材をしよう。



次回、池袋HMVでの突撃取材模様をお届けします。
お楽しみに!