第8回文学フリマ


5月10日に大田区蒲田で催された「文学フリマ」へid:okamochinobutoと一緒に行ってきました。
文学フリマ初参加。どないなもんやねんと首を前に突き出しながら会場へ。

会場にはいるともわっとした熱気が顔面を直撃。もしも眼鏡ボーイなら眼鏡が曇って「見えない見えない」なんつって両の手をゾンビ若しくはキョンシーの要領で突き出して、偶然か必然か女性のバストにタッチして会場入り40秒で現行犯逮捕なんてことも起こりうるわきゃないけど、それくらいの熱気。
大人になってコンタクトにして本当によかった。

とりあえずなにはともあれ、『UMA-SHIKA』を買いたかったので、入ってすぐのところに積まれていた、文学フリマのサークルカタログを手に取り、どこやねんと頁を繰る。

目当てのブースを発見したので、売りきれちゃかなわん!と走り出したい気持ちを堪え、平常心を装い、「ひゅーひゅー」と吹けない口笛を吹きながら、目的地へ向かう。そこへ向かう途中にあったブースは当然目に入らない。ここらへんがまだ大人の嗜みを身につけられていないといわれる所以か。

運良く『UMA-SHIKA』はまだ残っていた。腕組み。さて、買うにはもちろん買うんだが、「はーはーはー、こ、これください!」なんて慌てて買ってもちょっと胡散臭すぎるし、なにより恥ずかしい。偶然通りかかって、「おや?」的な、「小さい春小さい春見ーつけた」的なさりげない感じで買うのがここではベストだ。

だからといって今現在体と顔面は完全に『UMA-SHIKA』を向いている。ここからさりげなさを演出するのはぼくには荷が重い。だからとりあえず手に取ってみた。パラパラと頁を繰る。内容は頭に入らない。そりゃそうだ、あらかじめ買うと決めているものを立ち読みする必要なんてない。だが、これは演出だ。でもいい加減めんどくさくなったんで購入することにする。

立ち読みしていた本をもっていたまま1000円を払い、その手に持った立ち読みしていた本をそのまま持っていくつもりでいたら、なんとまだあまり手垢の付いていなそうなきれいな本を渡してくれた。まだ財布もしまっていなかったから、本が2札と財布を持つことになり、両手がふさがり頭がなぜか混乱した。

id:okamochinobutoが「それじゃあ2冊もっていくことになるじゃんよ」と注意してきたが、そんなことはお前に言われなくとも重々承知しているってんだ。承知しているんだが、さっきまで立ち読みしていた本だけをうまく手から抜き取り、元の場所に戻すことができないから、こんなに顔が赤くなっているんじゃないか。わかってくれ。

どうにか本を元に戻し、小脇に目当ての本を抱え、ウハウハ気分でまた首前出しスタイルで会場を散策する。
そこでアナウンスがあと30分で店じまいと言い、あせる。会場入りするのが遅すぎた。まだ1冊しか購入していない。

プラプラし、『F04 特集:ゼロ年代の小説』を購入し、そこでタイムアップ。はい終了ですよ。


会場を後にし、「やる人はやっぱりやるな。おれもやれるようになりたいが、それをやれないからおれなんだな」なんて自分を納得させ、車は夕焼けの町へ消えていった。