文庫BEST10

早いもので今年も残すところあとわずかで終わりを迎えようとしています。
振り返ると驚くほどになにもなく、パッとしない1年間でした。対前年と唯一異なるのは、ポットキャスト始めたことくらいか。

1年間を振り返ろうにも、振り返っても書くことがなんにもないんで、今年発売された文庫BEST10でもやってもいいですか?やりますね。やりますよ。

第1位

告白 (中公文庫)

告白 (中公文庫)

ノンストップ町田節です。文庫で800頁以上と唖然とする分厚さの本でしたが、読み始めたら頁をめくる手が止まらず、あれよあれよと読み終わってしまいました。
頭の中は常にフル回転してるのに、そのフル回転している考えを言葉にして表現することができず、他者との間に自ら溝を作ってしまい「あかんあかん」と頭を抱えている、そんな熊太郎が「河内十人斬り」をやらかしてしまったのは…。
どんどん不幸になっていく逆わらしべ長者という感じ。言葉の可能性を感じさせてくれる非常にすばらしい作品。


第2位

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

思い返せば今年も伊坂幸太郎の年だったなと。ゴールデンスランバー本屋大賞山本周五郎賞のダブル受賞、そして直木賞ノミネート辞退等々。
この「魔王」ですが、読んでみて驚いた。政治じゃんかと。ただ伊坂特有のあのユーモアはしっかりと随所に見られる。
たしか解説にも書いてあったけど、今の日本の政治と重なる部分が多い。意図していないのかもしれないが、この本には強いメッセージが込められているように思われる。「考えろ」と。


第3位

虚の王 (角川文庫)

虚の王 (角川文庫)

相変わらずのノワール。いい奴は一人もいない。悪そうな奴はだいたい友達、じゃなくて死んじまう。
階段を駆け下りたら、どんどんスピードが出てしまい、ここで止まったら死んじまう、そんな作品。まあ馳作品のいつもの展開。だけどたまらなく好きです。


第4位

空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ (文春文庫)

たぶん今年最初に購入した本。いかれた精神科医、伊良部の破天荒な荒治療の数々。読む人を「まあ現状でもいいのか…」そう思わせてくれるある意味堕落的な作品。ぼくはこれ読んでがんばるのをやめました。


第5位

浄土 (講談社文庫)

浄土 (講談社文庫)

また町蔵です。1位の「告白」とは一味違ったほんとのおばか作品。
背表紙に書かれていた言葉がステキで買いました。
「私はあなたと別れます。なぜならあなたが途轍もない馬鹿だとわかったからです。足は臭いし、チンポが臭いくせにフェラチオしろと言うし」
買いたくなりませんか?


第6位

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

読んだのはもっと昔だと思っていたけど、意外と今年でした。
短編集の形ですが、微妙にそれぞれリンクするところがあり、そういうのが好きな僕なんで、6位にしました。


第7位

陰日向に咲く (幻冬舎文庫)

陰日向に咲く (幻冬舎文庫)

話題になっていたから、「どんなもんやねん」と購入。
これも短編集の形だが、微妙にリンクしていてそういうのが好きな僕なんで、7位にしました。


第8位

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

今話題の「チームバチスタの栄光」のスピンアウト的な作品。
チームバチスタの栄光」本編にも出ていて、このスピンアウト的なものにも出ている、「踊る大走査線」の室井さん的な厚生労働省の役人の白鳥と、「空中ブランコ」の伊良部が闘ったら面白そうだなと今思いました。


第9位

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

チームバチスタの栄光」の続編。これを読み終わってのど元に引っかかってた異物が、「螺鈿迷宮」を読んで、飲み込めました。売り方がうまいなー。


第10位

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を

ご存知トルーマン・カポーティの名作を村上春樹が訳し甦った本。
原文はもちろん映画さえも見たことがなかったので、どこがどう春樹らしくなっているのかは分からないが、間違いなく村上春樹翻訳だと分かる作品。苦手な人は苦手かもしれません。


だらだら書いてもしかたないので、端折りまくったらもろやっつけ仕事みたいになってしまいました。

来年はこのブログも「ガールズブログ」みたいに自分らしく個性的なブログとしてやっていけたらいいなと思ってますので、来年もよろしくお願いいたします。