恋愛寫眞
流行ってんのかね。
なんか「昔から友人といるよりも一人でなにかをしていた方が好きで、なにごとに対しても、クレバーな自分を守り続けたい。でも、それは自分が傷つきたくないから。ほんの、そうほんの薄いカーテンみたいなものさ。でもほんとは望んでる。なにを?口には出せないさ。もしもあの空に輝く星がぼくの目の前に落っこちてきたらほんとのこと言うよ。だけど自分の大事なものが傷つけられたり、不当に扱われたりしたら、ちょっと黙っておけないよ」的な?
大学生的な?
髪がクネクネしてて痩せぎす的な?
「ベイベーこんな俺だけど、愛してくれるかい?」的なノリは絶対にない的な作品の主人公が。流行ってんですかね。
なんか最近そういう本をよく目にするようになってきたような気がする。もしかして、わいが引き寄せてるんか?そういえば、好きだもんな、なによりも恋愛小説が。大好物だもんな。「恋愛小説家」って映画好きだもんな。
まあ、くだらない前置きは置いておきまして、この本読みました。
- 作者: 市川拓司
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: 単行本
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分かっていたはずだ。「そのときは彼によろしく」を読んで。十分分かっていたはずなんだ。属性が。童貞が夢見るような恋愛ものって分かっていたんだ。
だが、また読んだ。やはりむずがゆい。頭がチリチリしてくる。
あれ、だけど、なんだか、心地、いいよ。みたいな。忙しガール、みたいな。
50ページくらいまで読んで、耐性というか、そういえばこういうの好きだったわいなんて思い出したりして、懐かしい気持ちがぶりぶりぶり返してきた。
「そのときは彼によろしく」もめっさ好きだったはずだわい。ココロがポタージュスープみたいに温まったんだわい。
不思議なもので、読み初めの頃のあのむずがゆさはなくなっていました。むしろ心地よさで全身が包まれたような感じ。実家の懐かしい匂いのする布団で午睡するような感じ。風鈴の音がカランコロン。母がうちわでパタパタと。そんな心地よさ。
こういう作品は、こういう作品でありなんだなと。
ただ、もう少し、もう少しでいいから、言い回しをロベカルのフリーキックみたいに、ぐにゃりと曲げないで欲しかった。読んでて疲れるわ、正直。